さよこ

BLUE/ブルーのさよこのレビュー・感想・評価

BLUE/ブルー(2021年製作の映画)
3.5
【報われない切なさを毎秒更新中】

つよつよボクサー(東出昌大)とよわよわボクサー(松山ケンイチ)の話。切なかった…。

松山ケンイチがずーっと優しいんだよ…負けても悔しさを人に見せずに「好き」の気持ち1つでボクシングを一途にずっと続けてるのが切なくて…後輩からもバカにされて、それでも好きで、ずっと報われない「好き」ほど切ないものはないよね…と松山ケンイチのカオみるたびに胸がギュっとなった。

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執着してるのに、伝わらない。
熱量あるのに、そう見えない。

好きだから報われるわけではない。

「頑張れば実る」「願えば叶う」がどれだけ御伽噺なのかを見せつけてける映画。

それでも報われたいと藻掻くし、自分の才能と折り合いつけれないから「BLUE(青臭さ)」なのかな。うまく行かないものだね。

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かたや、つよつよボクサーの東出は対象的で、血の気の多い(どちらかというと自己中で優しくない)奴なんだけど、女のコが東出を選ばれるのも分かるっちゃ分かる…。でもやめとけ松山ケンイチにしとけってチカ(木村文乃)に伝えたくなるし、松山ケンイチはもう少し大人になったらくそモテるようになると思うから辛抱な、て励ましたくなった。

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予告編にも使われてた松山ケンイチが木村文乃の手に包帯巻くシーンはほんとに好き。穏やかで切なくて「ボクシング始めた理由とボクシングに出戻りしてきた理由」はきっと同じなんだろうなって思ったし、ふたりきりなのに抜け駆けしようなんて微塵も感じさせないところがボクシングで勝てない理由ともリンクしちゃった。色々なことが繋がるワンシーンで凄く好き。好きしか言えない。

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余談だけど、今回の映画で東出昌大の印象がガラリと変わった。表情とか、セリフ回しとか、凄く良い俳優さんだなと思ったし、凄く雰囲気があって格好良かった。プライベートなニュースはさておき、好きな俳優さんの1人になったよ。

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シュッとしたヒゲの松山ケンイチと、粗暴な東出昌大がどっちもタイプの違う格好良さがあって、映像映えしてた。

ずっと心に余韻が残る良い作品ではあるものの、松山ケンイチが信じられないくらい弱すぎて、そんなに練習して相手の分析も出来るのに、そこまで弱いことある???てくらい努力が報われなさすぎたので星ちょっと減らしました。理不尽な星減らしごめんなさい。
さよこ

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