吉田恵輔監督6本目
負け続きのボクサー
一見、自分が負けても茶化すことができるくらいメンタルが強いように見えるが、負けをなんとも思ってないわけではないことが映画の端々で感じられるし、勝ちたいという気持ちも感じられる。
青コーナーは挑戦者。
挑戦者であり続けられるのって凄いなと。
自分がそっちに立ちたかったからこそ、どれだけ危険だろうが友達を本気で止めようなんて気持ちにはなれない。
勝ち続けても結局は挑戦者として次のステージに行くんだもんなー。
「いい歳して」とか、「負けるボクシングなんて学びたくない」とか、周りの言葉が痛すぎる。
柄本時生が主人公にも見えるお話
最初はボクシングやってる風を目指していたのにあそこまでボクシングにのめり込んでしまうんだから怖い。瓜田とは違って勝利を味わってない点でもどこまで続くのかわからない長い道のりを考えてしまう。
瓜田との練習を思い出しながらの試合熱かった。
ボディの返しにアッパーを選ぶかフックを選ぶかでどれくらい追い詰められてるかがわかるの凄い。
脳のこと考えちゃうから勝っても清々しくないんだよなー。才能があろうとなかろうとああいう風に夢半ばで散ってくひとはいっぱいいるんだろうな。
最後まで徹底して敗北者側、挑戦者側のお話だった。そもそもボクサーはずっと挑戦者なのかもなとか思ったり。
瓜田ってボクシングは弱いけど、ああいう言葉を正面で受け止める強さは持ってたし、諦めようと思っても体が勝手に動いてしまう感じがラストも感じられて大好きになった。
言葉にせずにこんなに色んな感情が伝わってくるの凄いな。
2024
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