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SLEEP マックス・リヒターからの招待状のkaのレビュー・感想・評価

4.2
マックス・リヒター自体昔よく聴いていたのでとても楽しみにしていました。
いつの間にか映画になるまで有名になってしまっていたんですね。

静かで幽玄なピアノ、メランコリックなストリングス。
「ポスト・クラシカル」と表現されるシネマティックな彼の音楽。
睡眠をテーマに作ったCDは9枚組 収録時間8時間半
これをライブで再現するという盛大な試み。

シルエットをあえてぼかすような光の輪やフレアの入る映像、
夜の街を空撮したり、草花の揺らぎなど、繊細な感性で捉えた映像がとても美しい。



この試みの背景には、現代の目まぐるしく変化する社会への「アンチテーゼ」でもあるということです。
静かな音楽ですが背景にそんなパンクな精神があったとは・・


目を閉じて楽曲を聞けば、子守唄を聞かされているような懐かしい感覚に。

昔は「癒やし」「フィール」という言葉が流行りましたが、今の時代またこういった音楽が求められていると思います。

マックス・リヒターを知らない人も彼の音楽を知るきっかけ、導線として観ても良いと思います。

マックス本人、観客のインタビュー映像も交えて進行しますが、欲を言えばもう少し音楽に没入したかった。
心地よくなってもインタビューのシーンで起きてしまう。
インタビューは字幕で、美しい映像と音楽を淡々と見せていくだけでも良かったと思う。

公開初日の初回公演なのに、私以外観客0 笑
美しい映画を静かな空間で見れて満足でした。
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