みむさん

名もなき歌のみむさんのレビュー・感想・評価

名もなき歌(2019年製作の映画)
3.3
アカデミー賞国際長編映画部門ペルー代表。

ジャーナリストである監督の父から聞いた実話からインスパイアされたお話だそうだ。

近代のペルーの田舎町。状況があまりよろしくない故郷よりは都会に移り住み幸せな将来を送ってほしいと若い夫婦を盛大に送り出す。
モノクロ、主人公の雰囲気ががなんとなく似てるということでなんとなく「ROMA」っぽいかと思ったが、こちらはえげつない幼児売買の話。

弱き者を甘い言葉で吸い寄せる、生活が苦しいヘオルヒナがそれを頼ってしまわざるを得ない状況がすべての始まり。

ヘオルヒナの悲痛な叫び、手を貸す人は現れるも、事の真相をつきとめていくとそこには…。

相手が大きければ大きいほど個人で太刀打ちするにも限界がある。有権者番号を持たない彼らはなおさらだ。

こんな時こそジャーナリストが動くとき。

この映画はそのジャーナリストもある生きづらさを抱えてる。

貧困、人種民族、その他この時代の社会の弱者とされる者たちの戦い。国家の闇。

ものすごくどんよりするドラマだった。

1988年のペルーが舞台。そんなに遠い昔の話でもないのがまた驚く。