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名もなき歌のausnichtsのレビュー・感想・評価

名もなき歌(2019年製作の映画)
3.0
1988年くらいのペルーが舞台の映画です。

当時ペルーはハイパーインフレで経済は破綻しており、政情もセンデロ・ルミノソに国土の1/3を制圧されているような状態です。

そうした混乱した社会やその緊迫感はあまり感じられません。

乳児売買が中心的に描かれてはいますが、その実態に迫るわけでもなく、新聞記者の取材も詳細は描かれることなくいきなり組織の存在が新聞のトップに掲載されるという展開です。

記者が同性愛であることも映画的必然性がよくわかりません。「ガラスの動物園」を使いたかったのかもしれません。

叙情的にはラストのヘオルヒナの「Cancion sin nombre」がテーマかとは思いますが、わざわざ議員の言葉「なにも与えられない母親とどちらが幸せだ?」を入れて、それに対して何も答えられないペドロを見せていることが気になって仕方ない映画です。

「映画・ネタバレレビュー・あらすじ:1988年のペルー、乳児売買、センデロ・ルミノソ、先住民の貧困、同性愛」
https://www.movieimpressions.com/entry/song-without-a-name
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