Punisher田中

Mr.ノーバディのPunisher田中のレビュー・感想・評価

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)
4.8
「お前、何者だ??」

ハッチ・マンセルは家族を支えるごくごく平凡な一家の大黒柱だ。
月曜は朝のランニングをこなしてから仕事へ向かい、火曜はゴミ出しに遅れ、仕事へ向かい、水曜、木曜とただ1日1日を平々凡々に過ごしていた。
ところがある夜、自宅に2人の強盗が侵入、ハッチは家族の助けもあり強盗に反撃するチャンスが出来たにもかかわらず、何も出来ずにただその場で立ち尽くすのみだった。
この事がきっかけとなり、家族や職場の義弟からは非難の眼差しを向けられることとなってしまうハッチ。
そんな中、ハッチの中で何かが湧き上がり、様々な要因が重なったことで遂にブチギレるのだった!
出会ったワルは片っ端から血祭りに!
ブチギレたハッチを誰も止める事は出来ない!!
一体、ハッチは何者なんだ????

基本、劇場鑑賞する物はなんでも面白いのだが、今作は中でもとびっきり楽しめた。
ナメてたおっさんが殺人マシーンだった!
みたいなのって、大体が似たような内容でオチも大体想像が付いちゃうんだけども、不思議と鑑賞しちゃうんだよね。
しかし、今作はどの作品とも似ているようで似つかない、突出した娯楽性と振り切ったアクションや展開が気持ち良くて最高。
実際、この手の設定の物ってどれも面白いんだけども、中々煮えきらないというか、あまり思うように暴れてくれないというか...と思っているそこの貴方!
ご安心下さい、今作のハッチさんは嘘みたいに気持ち良く暴れてくれますよ!!
復讐という目的なんかぶっ飛んでいって、目に着くワルや障害となるワルは片っ端から血祭り、血祭り、血祭りでひたすらに最高。

なんとハッチ役はブレイキングバッドにて悪徳弁護士ソウル・グッドマンを演じているボブ・オデンカーク。
正直、ソウルとしての顔しか見たことがない為か鑑賞中は全く気がつかなかったが、アクションをバリバリこなす無敵の俳優を起用するのでは無く、The一般人のような見た目且つ無敵のアクション俳優という印象を受けない俳優を起用した事で、リアルな頼れない親父っぽいキャラへと仕上げることに成功していた。
そんな頼れなさそうな親父が、ターミネーターの様に何度殴られても立ち上がり、障壁となる悪を次々と成敗するその姿が、今作の気持ち良さを生み出しているのではと考えられる。

ギャグもてんこ盛りで、コンサルタントのように堅苦しくなければ、イコライザーの様に地味でも無い。
娯楽映画の良いとこどりと少しのアレンジを加え、痒いところに手が届く作りになった事で娯楽映画としての完成度はかなり高くなっており、シンプルで王道なのに、こんな満足感を得られる映画には出会ったことがない!というくらいに満足出来る作品となっている。
広告や予告は割と地味で食指が働かないかもしれないが、騙されたと思って是非時間があったら劇場鑑賞してみては!!