真っ黒こげ太郎

Mr.ノーバディの真っ黒こげ太郎のネタバレレビュー・内容・結末

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

お前の様な何者でもない男がいるか!!!



地味で平凡な”何者でもないただの男(Nobody)”、ハッチ・マンセル。
強盗に押し入られても、たいして抵抗しない所為で息子からも臆病者扱いされる等、実に普通な男だった。

しかしまぁ、例によって例の如く普通なワケが無かったこの男。
色々あってバスジャックのチンピラに出くわしたハッチは、チンピラに喧嘩を売って全員ボコる!!!
しかし、ボコられたチンピラの一人はロシアン・マフィアのボス、ユリアン・クズネツォフの弟だった!!!

ユリアンはハッチの居所を見つけ襲撃を開始。
ハッチは家族を守る為、封印していた戦闘能力を解き放つのだった。




何者でもない(Nobody)…ハズだった男が家族を守る為に秘めていた戦闘能力を再び解き放つ、ハードボイルド・アクション。

傑作POVアクション「ハードコア」のイルヤ・ナイシュラー監督と「ジョン・ウィック」の脚本家デレック・コルスタッド氏がまさかのタッグを組んだ!!!
何という俺得タッグ。こりゃ劇場に行くっきゃないでしょ!!って事で見に行ってきました。


んで今作、流石に完成度は「ハードコア」とかには及びませんが、俺の好きなタイプのバイオレンス系映画でした。w


正直言って、お話自体は大したことないです。
まぁこの手のアクション物にアカデミー賞モノのお話を求めるのはステーキハウスで寿司を頼むような大間違いではあるのですが(爆)、それでも前半は思ったようなアクションが出てこず少しイマイチでした。
一応、主人公が只者じゃない所を匂わせたりする展開は軽快なBGMも相まって中々悪くなかったんですが、中々アクションを見せてくれずにちょっとヤキモキしてました。
んでまぁ、その後は主人公が暴力を披露しハード・バイオレンスな展開にもつれ込んで行く訳ですが、最初は主人公側があんまり無敵じゃないので、何か「思ってた程じゃないな…」と思ったり。
そこら辺の物を鈍器としてブッ叩きまくるアクションは悪くないけど、ジョン・ウィックやマイク・バニング並に強いって訳でもないので思ったより凄いアクションでもないので物足りなかったり。
クライマックスの展開もハッキリ言って「ジョン・ウィック」そっくりだった。
(あっちよりはハッピーエンドで明るい結末だけど。)

そんなこんなで、前半から中盤まではそれなりに楽しめはしたものの若干の物足りなさを感じていました。




しかし、クライマックスになって急に今までの展開がウソの様なスーパーバトルに突入!!!!
派手に車がクラッシュし、DIYトラップで敵を仕留めながら銃を撃ちまくるという、雑な「要塞警察」&「ランボー ラスト・ブラッド」みたいなボンクラ展開に突入!!!

そうか、今までのドラマは「ランボー ラスト・ブラッド」系の”溜め”だったのか。w
このクライマックスで今までの物足りなさが全て解消されましたね。w

唐突に味方が参加する展開はかなり唐突だけども、皆やたら強いし、ドンパチしまくりの大活躍が楽しいので気にならんかった、寧ろ笑顔にさえなった。w
更にアイディアに富んだDIYトラップがフル活用され、敵が次々とボッコボコに。
ここら辺は流石アイディア満載な「ハードコア」のイルヤ・ナイシュラーさんが手掛けただけありますね。
正直、このクライマックスだけで見れば「ジョン・ウィック」より楽しかったかも!!!wwww
(ラスボスの倒し方も斬新で面白い。)

ラストも軽快な感じで爽やかに(それでいて続編を作れそうな)終わり方だったので「何だかんだで良い映画だった! …様な気がする!」と気持ちよく席を立てました。(気がするだけかい!!!)



そんなこんなで、終わってみれば中々愉快な映画でした。
とは言え、お話にアレな所はあるし、雑に感じたり無理やりに感じるところも無くはない…。
良く出来たお話を期待したら爆死は必至だろう…。

まぁ、正直な所「ジョン・ウィック」シリーズの脚本も大したことないしな(爆)。w
こういう映画は純粋にアクションを楽しめばいいのよ。w

何か、褒めてるのか貶してるのかよく分からない文章の連続になってしまいましたが、大画面で見るアクションは最高だし、どこぞのアメコミ畑監督絡みの映画と違って(爆)火薬の爆発もしっかり展開されるので、アクション好きなら劇場で観る価値は十分にあるでしょう。

正直、今回のタッグでアクションマシマシな続編とか見たいけど、流石に厳しいかな?

何はともあれ、興味がある方はあまり期待しすぎずに気楽な気持ちで劇場へどうぞ。