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Mr.ノーバディのmatchypotterのレビュー・感想・評価

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)
4.0
ハッチと呼ばれるこのおっさん、一体何者よ!?
と、終始それに尽きる映画。

“Nobody”、何者でもない。
過去“とある米国の頭文字3文字の組織”で“会計士”をやってたらしいおっさん、ハッチ。

ここそこで騒ぎを起こしても、なぜだか不問になるおっさん。尋問されても、謎の“上からの指示”で解放されるおっさん。

今回はその自ら起こした騒ぎが発展して、寝た子を起こしてしまい、自らと家族が標的になってしまったおっさん。

平穏な、むしろ父親として威厳も何もないただのうだつの上がらないおっさん、、、、ではなかった。

予告編とかCMでは、「キレたら手に負えない」みたいなキャッチだったけど、それはそれでまたちょっと違った。

寝た子を起こして、自分も再び目覚めた、みたいな映画。

『ジョンウィック』を彷彿とさせるハードでタフさ。ロシア系マフィアの大群にほぼ1人で立ち向かう。

このおっさん世代の80年代ぐらいのポップとロックに乗せて、コミカルな部分とハードな部分をうまくまとめ上げる。

アクションシーンとか銃撃戦やカーアクションでこういう音楽で違うインパクトを作る作風、ちょっと前から流行ってる気がする。

ほぼ1人。そう、実は1人ではなかった。
クリストファーロイド、あの“ドク”がまさかのこのおっさんの父親役。この父親がまた良い。

おっさんハッチがメキメキと頭角を表しながらどこへ向かうのかと思っていると、“ドク”おじいさんがさらに輪をかけてくる展開。

最初のうだつの上がらなさ、平々凡々の毎日の繰り返しを見せつけられてからの、スピーディな変貌ぶりがとても気持ちが良かった。

ただのおっさんが、ただのおっさんになりたかったのに、そうは問屋が卸さない。

普通のおっさんだと思って適当に小馬鹿にしてると痛い目に遭うぞ!

何回“おっさん”と言ったかわからないけど、頼りなさそうなおっさんを“おっさん”呼ばわりしてると亡き者にされる可能性があるという映画。
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