在籍メンバーからしてヤードバーズかよって感じのトキワ荘。日本の漫画神話におけるゼウス、もしくは漫画銀河系における太陽だった手塚治虫。の引力に引き寄せられた漫画の神々の青春実録。漫画がカネでも成功でもなく生そのものだったことが全シーンから滲み出し、リアルな昭和アイテムが全画面に溢れてて泣ける。けど今やマンガはデジタル、中学生から会社員と寸分変わらぬライフスタイル、スマホで常にちっちゃく満足、の世の中ではもう理解不可の映画なのかもとちょっと淋しくなった。青春とは慢性不足のことで、夢とは自ら望む大きな不足。不足が輝いてた時代の青春の墓標のみたいな映画。監督の市川準も神々もほとんどみんな死んでしまった。墓参りした気分になる強烈ノスタルジー。R50。と言いたいけど最近またまた昭和ブームらしいので若い方々にも観てほしい。
