しん

ハウス・オブ・グッチのしんのレビュー・感想・評価

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
3.3
グッチ家の同族企業であるGUCCIの内紛を描く作品であり、出てくる奴らが全員イヤなやつレベルではない権力狂いなので、不快感抜群で楽しかったです。

展開が早いので、各人がイヤなやつになっていく過程が短い尺でしか描かれていなかったのは、少し残念でした。もう少し登場人物を減らして、焦点を絞ってもよかったかもしれません。ただ、ラストで彼らのその後が語られるのは、中々よかったです。GUCCIがグッチのものでなくなる過程は、「家族」の悲哀と重なって、心にずっしりくるものがありました。

リドリー・スコットは各人の視点を多層的に描く手法に長けていますね。本作でも全員がイヤなやつなのは見事でした。下手に一人だけイイやつになってなかったのは素敵でした。2時間半の作品のわりに、忙しすぎたのがマイナス点ですが、平均点の高い作品でした。
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