磨

ハウス・オブ・グッチの磨のレビュー・感想・評価

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
3.6
世界的ファッション・ハイブランド“グッチ”の創業者一族にまつわる実話を基にしたドラマ作品。

リドリー・スコットとアダム・ドライバー、連続史実(史劇)モノにしてアダム・ドライバー受難作品。もはや斃れた彼を見るのが通常営業のようで哀しい…。
偶然にもその決闘裁判で共演したマット・デイモン主演作品「スティルウォーター」と(日本では)同じ上映日。さらにこの2作品には仏女優カミーユ・コッタンが出演、役柄が違っても感じる色気はさすが。

アパレル業界版ゴッドファーザー(ひと目でそう思わせる要因はボスにある)のような物語と昼ドラのようなドロドロ劇場は観ていて惹かれる魅力がある。他人の不幸は蜜の味というのか、いわゆる財閥内の骨肉の争いはみんな大好き。それに愛憎劇が加われば尚よし…。
最近あった実際の事件を誰もが楽しめるエンタメに昇華、159分の上映時間も気にならなかった。見事な手腕を発揮したリドリー・スコット、おそるべき84歳である(笑)

過去の映画賞を総なめしてそうな豪華俳優陣の共演も素晴らしく、史実や脚本に負けない演技合戦を展開。
そして特筆すべきはレディー・ガガの存在感。正直、最初はこのメンツに彼女で大丈夫なのか?と思ったが、完全な杞憂だったようで、“グッチの女帝”と呼ばれた豪華さと迫力を与えつつ、役柄的に上品過ぎず美しすぎない…この難役をクセの強い俳優陣の中で見事に熟した彼女に拍手。各賞レースも納得だと思う(「アリー/スター誕生」はあくまでも本業である歌手の物語だったし)

ところで、イケメン俳優で有名なジャレッド・レトはどこにいったのでしょうか?(笑)


時計や自動車関連など機械系のブランドに関しては多少拘りはあるけど、ファッションブランドに関してはあまり関心のない自分でも、さすがにロゴやデザインだけでブランド名のわかるグッチ。というか、高校生の頃(この事件の直後くらい)周りで流行ってたわ(笑)
磨