agathe

ハウス・オブ・グッチのagatheのネタバレレビュー・内容・結末

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

リドリー・スコット映画

わお、ジェレミー・アイアンズがいいじじいになりました。
すっごい意地悪な役なんだろうけれども、とってもそれが似合ういい演技。
冷たい意地悪さ、だよね。スノッブの冷静さというかなんというか。
一方アル・パチーノの意地悪さは、熱い意地悪さ。
金持ち特有の鼻につく感じ、上手いです。
こういう対比の描き方がさすがリドリー・スコットって思ってしまう。
そしてこの2人がいるからどーしてもパトリツィアが垢抜けなくださく見えるんだよなぁ。
おしゃれなのよ?おしゃれなのにどっか田舎くさい感がずーっとつきまとう不思議な感じ。
多分それは始終「金持ちに馬鹿にされたくない」っていう変に力の入った生き方のせいかもしれない。
マウリツィオはだんだんだんだん大人の男になっていく=洗練されていくのとこれまた対照的だったわけです。
彼はお金持ちの坊ちゃんが大人になっていくから仕事を成功させなければというプレッシャーはないけれど、だれかに馬鹿にされないようになどという捻くれたプレッシャーはないわけで、その辺の力の入り方の違いかと思う。
グッチのストーリーは断片的にしか知らなかったのでそちらの切り口でもとっても楽しめました。

人はこうして占い師や預言者にすがるのか。
パトリツィアの不運なところは占い師としては凄腕でも人間としてどうよ?の占い師にすがったこと。
似たような感覚を持つ身としては、人にすがられるようになるのではなく、サポートに徹する立ち位置から動いては行けないのだと思うの。勘があり見えるという人間は頼ってきた人の人生を決めてはいけないのだと思うの。
頼られてもすがられてはいけない。ましてやすがってきた人を利用するなんてとんでもない。
この判決の詳細は分からないけれど、わたしは占い師の罪のほうが重いよなーと思いました。

それにしてもアル・パチーノの日本語がきけて日本式のおじぎがみれるとはおもわなかった。
グッチにとって日本はいいお客さんなのねーとわかるシーン。
最後にトム・フォードが出てくるのもおお!だったしね。
ファッションシーンがよくわからなくても人間ドラマとして面白く鑑賞できました。
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