Maoryu002

ハウス・オブ・グッチのMaoryu002のレビュー・感想・評価

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
3.7
グッチ一族の一人、マウリツィオ(アダム・ドライバー)にトラック運送会社の娘パトリツィア(レディー・ガガ)が近づき、周囲の反対を押し切って結婚する。やがてパトリツィアはグッチの経営権を握ろうと、株を持つマウリツィオの伯父や従兄を陥れようとする。

リドリー・スコット監督がグッチ一族の崩壊を描いたドラマ。
この事件、あまり詳しくは知らなかったから、とても衝撃的だったし、個性的な登場人物たちの動きを楽しめた。

物語は1978年からスタートするんだけど、当時の流行やグッチというブランドの価値を見せられ、そこからの変化がほのめかされる。
ジョージ・マイケル、ユーリズミックス、デヴィッド・ボウイという時代を映す音楽も心地よい。

財力とプライドで何とか繋がってたような一族に、パトリツィアという異物が入り込んで、崩壊に向かい始める。
とどまることを知らないパトリツィアの欲望と悪意に翻弄されるんだけど、マウリツィオの優柔不断さも大きな罪だろう。

逆に、彼女の中に潜んでいた欲望が、グッチという名声や富によって爆発してしまったという見方もできて面白い。

終わってみると、なんだかスコセッシ作品に近い感じだったけど、一族の伝統や絆の重みが今ひとつ伝わってこなかったのと、人間関係に深みがあまり感じられなかったのは残念。

それに、ジャレッド・レトの演技はやり過ぎ。
一方で、レディー・ガガの演技が凄い、というか上手い。「アリー/ スター誕生」はまぐれじゃなかった。
"あんたのグッチの血は半分よ!” とマウリツィオを罵るときの表情!!

やっぱり、この内容で160分は長いなー。
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