次郎

劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライトの次郎のレビュー・感想・評価

4.5
今年上半期最大の問題作にギリギリ滑り込んだ。ひたすらに意味を後景化させながら、映像と演出の暴力に殴られ続ける120分。
事前情報として「荒野に折れた東京タワー」「デコトラ」「キリン」ぐらいしか知らなかったけど、マジで見終わった後もそれくらいしか言葉が出てこない。劇場版ガルパンもそうだったけど、事前にアニメを予習しなくても楽しめることを前提にしたアニメ作品を作ると、ここまで振り切った怪物作が出てくるものなんですね。キリン、すっごいアルチンボルドだったよ…。
とにかく演出が凄いというか、凄すぎる余りに主人公とその親友の過去エピソードが完全に割りを食ってしまっている感は確か。クライマックスよりも1発目の皆殺しレヴューや清水寺デコトラ百合心中、足癖の悪い切腹強要といった字面にすると強過ぎるシーンが印象に残り過ぎてヤバい。
あと、舞台をテーマにした映画という枠にメタフィクション的仕掛けと第四の壁を的確に配置することで観客を強制的に人生という舞台に挙げさせようとする演出には、エヴァ旧劇でやろうとして果たせなかった思いが繋がれていった気がしてほっこりした。
(後で知ったけど監督はエヴァ現役世代で直接的に影響を受けているとか)
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