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マークスマンのおはうちのレビュー・感想・評価

マークスマン(2021年製作の映画)
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リーアム・ニーソン主演の『ファイナル・プラン』や『アイス・ロード』などの小粒で良質なアメリカ・アクション映画の系譜、そして『マークスマン』など誰が観てもちゃんと面白くてハズレ無し。枝葉が無くて幹はしっかり、必要な要素でしか映画を作らない姿勢に好感、興味深い。

自分で人生を選べなくて好き好んでカルテルで殺しをやってる訳じゃない悪役の描写が忘れ難い。元海兵隊のリーアム・ニーソンが貰った勲章を盗んで、それをいじってる描写とか意味深で良い。オープンカーに乗る男女を何故だかジットリ見ていたり、随所にある空虚さが染みた。

牧場から故郷から離れてもなお、クライマックスの舞台では牧草ロールが並ぶ牧場が登場する。映画冒頭で披露した肉食獣から草食獣を守る構図が反復される。殺しの技の使い道を見出している者と、殺しの道を好き好まなかった者との対決に雪崩れ込む。

『マークスマン』のリーアムに『EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』を見せてやってクレカ使うと足が付くのを教えたいよね。でも、本作は子供との逃避行で最後まで突き通しているから好きなんだよね、というか理想的なんすよね。そんなんロボットアニメじゃねーけど、絶対にいい。

映画の頭で草食獣を狩る肉食獣を狙い撃ちする構図、『ウィンド・リバー』でも観たね。今後の展開を予兆するシーンや寓話を語る形式が簡潔で好きだ。
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