Supernova

竜とそばかすの姫のSupernovaのレビュー・感想・評価

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
2.6
音楽の完成度、映像の完成度100点満点。
脚本の完成度-200点。
ひどいよこれは。スコアは映像と音楽分の点数です。脚本だけで見たら0.3くらい。

ひとこと。クジラ好きだね細田監督。

今から欠点上げてきます。めちゃくちゃ長いです(おそらく3000字くらい)。ボロカス言われるのが嫌な人、ネタバレ見たくない人は無視して下さい。


⚠︎以下本作のネタバレ&一部「サマーウォーズ」のネタバレあり

あくまで一回だけ見て記憶にある限りの思いつくところを書いてるだけです。なので見逃し、そこは違うだろってところがあってもあしからず。

・まず全編通して全キャラ行動原理不明。
竜の登場の仕方唐突すぎる。闘技場あるならそっちで戦ってればいいじゃん。サマーウォーズみたいにソースコード書き換えられてOz全体がバトルステージになったんならともかく。←最悪これが起こらないと物語進まないから、これは百歩譲る。

・竜を見た瞬間に「あの人のオリジンを知りたい」と言い出すベル。
なんで?←これが一番分かんない。
いやそれ怖いよ?ネットストーカーしたい宣言やめろな?

・現実の問題とU内の問題がリンクしてるのかと思ったら、現実はただただ恋愛してるだけやん。U全く関係ないじゃん。よくよく考えたら写真以外にカヌー男の意味なくない?サックス吹いてた子もまじで存在意義なし。一番いらなかったのは幼馴染君だけどね。ここの現実の恋愛パートのせいで話の軸と主題がブレブレ。サマーウォーズみたいに現実とOz内の問題が密接にリンクしてる(おばあちゃんがOzの不具合で死んだなど)なら、現実パートの必要性にも頷ける。けど本作はそれがないから竜探しだけでかたがつく。よって現実パートいらん。

・悪意に満ちた一般ユーザー多すぎ。いくら今のネット環境でもあんな露骨に罵詈雑言浴びせられんわ。ましてや匿名性がAsっていう生体認証かかったアバターの存在によって皆無なんだからさ。

・現代ネット社会を風刺してる割には、主人公たちが直面してたネットの問題がさらっと解決されてて腑に落ちない。大物には大物なりの苦労があるのかなーと思ったらUで起こる竜の事件ばっかにフォーカスして全然有名人のプライバシー保護の難しさとかが描かれない。

・それになんと本人が参加しているグループチャット(?)でその本人をこき下ろす女子高生たち。あれに関してはLINEみたいな感じだろうから匿名性もクソもないんじゃない?それを天才メガネ君があっさり解決。浅い!!!!

・メガネJKがとにかく全能すぎる。あのコンピュータのセットアップは明らか金持ち&簡単に情報入手しすぎ。「都合悪い時こいつ使っとけばすどうにかなる」って感じで入れたんだろうなぁ。

・竜の正体の予想簡単すぎる。あの映像流れてから一瞬で分かった。開始15分で分かってから残り105分分かりきってる結末まで耐え続けんのはキツい。普通に少し考えれば誰だってわかる。明らかに一般人のくせして取り上げられ方が一般人扱いじゃない。登場時の類似点が多い。

(ここから自分が竜を簡単に推測できた考察
・まず大前提、劇中一度も登場しないキャラが竜の正体のはずがない。この時点で数十人に絞れる。
・モブキャラのはずなのになぜか映像が2種類紹介される。弟が喋ってる映像&父親も映ってる映像。弟が喋る映像は、竜のオリジン君は後ろ向いてて顔見えない。暗そうで何か闇を抱えてそう。父親の映像は明らかに、自分の家族が健康であると主張したがってる反面、子供たちは俯いていることから父親が勝手に理想を押し付けているだけというのが分かる。そもそもなんでこんな映像がネット上にあるのかさっぱりわからない。
→こんなに細かな描写がされるモブキャラは他にいない。
・竜&クリオネ、つまり2人=該当しそうなコンビ、竜のオリジン君&弟
・両コンビとも黒い服&白い服
・初登場時の竜のオリジン君の映像、1人顔隠れてるから絶対裏あるってわかるし、1人は発達障害感すごいからU内で喋らせたらボロが出るから喋れないようなアバター=クリオネとリンクする
→上記より、何となく「守る」連呼する竜は本作のキモでもある竜のオリジン探しのために顔が伏せられてるんじゃないのか=明らかに闇がありそうな兄弟の映像の顔出てない方、という予想でまんまと正解)

予告編で50億人の中から竜のオリジンを探さなきゃ!って言ってたから割と主軸になるのかと思いきやめちゃくちゃ簡単やん。主人公たちも鑑賞者とは違う導き方だけど大して苦労せずに見つけてるし。

・まんま「サマーウォーズ」×ネット社会に翻弄される「美女と野獣」。ここまでくるとオマージュじゃなくてパクリ。名前(ベル)とか構図がまんま。そのくせして全てが劣化。ひどい。

・システムに欠陥多すぎ。相手の個人情報を晒し上げられる仕様作るとかプライバシーどうなってんの?その権限を特定の個人に付与するのはもっての外。

・虐待受けてる子供を救いたい→
素顔晒して歌え!!!→
歌ったらなんかみんな感動してくれた!→
なんか知らんけど見つけた!東京行こう!

「は???????」なぜ?の連続。虐待児救うために歌おう!が意味不明なのは自明なので省略。
東京行こう!のところは本当にどういう原理なのかさっぱり解明できない。なぜ田舎のJKごときが遠く離れた東京の赤の他人の家庭の問題に首を突っ込むんだ?最悪虐待がオンラインで配信されてたから、警察か児童福祉センターに通報するのは理解できる。行って何をする?親を説得できるとでも思ってんのか?家帰ってないのに、制服のまま旅費はどうやって突然出てきたの?毎日そんな大金持ち歩いてるのか?「遠く離れた見ず知らずの家庭の問題に首を突っ込みに行きます!」と父親に宣言したら「お前はかあちゃんの子や!さすが!いったれ!」という訳の分からないクソ親父。それに協力的な合唱団の大人。全てが理解不能。

・虐待してる父どこの馬の骨かも知らんJKに気圧されてるwww
ここのシーンは言葉では説明しきれない理解不能なシーンの連続なので流石に割愛。
まじでこのシーンはやばい。

・竜のオリジン君の虐待については一件落着したけど、Uの中の竜の問題については根本的に何も解決してないぞ?ただ突然失踪してた超大物アーティストが歌い始めただけ。

・そもそも論、誹謗中傷あびせられたんなら別にUやめればいいじゃん。どうせ格闘ゲームやるだけならそのゲームをやめるだけ。今までUで活動してなかったんならUがなくても現実世界での生活は可能ってことだよね?なぜそれができない?ここで現実の虐待とUは一切結びつかないことが分かる。

・迫力のある映像を作るために、これら全ての設定、脚本の穴をガン無視するという常人離れの所業。

以上が一回の鑑賞で自分が思いつく限りの欠点。多分忘れてるだけでもっとある。

サマーウォーズの細田守はどこに行ったんだ...

映像の美しさと音楽の素晴らしさは本物だったのに...
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