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竜とそばかすの姫のKaZuiのレビュー・感想・評価

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
3.7
💬細田守監督作品。全世界で50億人以上が利用しているインターネット上の仮想世界〈U〉が存在する世界が舞台。田舎町の女子高生・内藤鈴(演:中村佳穂)は、母親を亡くしてから心を閉ざし、大好きだった歌を歌うことも出来なくなってしまう。そんななか、すずは〈U〉の利用を開始。アバターを介したら歌を歌うことが出来ると気づいたすずは、ベルという名の歌姫として〈U〉の世界で人気となる。ベルのコンサートが行われたある日、突然謎の竜が現れる。面白いが、とても惜しい映画だった。細田守監督の真骨頂かつ集大成的な展開と演出が詰まっていて好きなシーンも多かったのだが、気になる点もちらほら見受けられた。終盤の展開を中心に、脚本自体に無理を感じてしまった。吉田玲子か奥寺佐渡子を脚本に呼び戻すかアドバイザー的な立ち位置に来てもらうだけで劇的に良くなる気がする。しかしながら、細田守監督ファンがにやりと出来そうなシーンは盛りだくさんだ。過去作のセルフオマージュのようなシーンが多かった印象。そういう意味では楽しめる部分が多いのではないだろうか。また、他作品に似たシーンも多く存在する。そもそも、基本的には近未来ネット空間版『美女と野獣(原題:Beauty and the Beast)』といった印象。また、鈴の幼馴染の久武忍を演じた成田凌が成田凌すぎて笑ってしまった。同級生の千頭慎次郎を演じた染谷将太もなかなかとくちょうてきではあったが、成田凌に関しては本当に「鈴」という呼びかけや、「どした?」や「あのさ」といった台詞にあの色気が込められてました。『時をかける少女』や『サマーウォーズ』を引き合いに出して「あの夏を超える」などと宣伝してしまっているせいでやや期待外れな印象を受けるが、それでも『未来のミライ』などから比べると細田守監督作品に求めていた面白さは十分に感じることが出来た。

初鑑賞:2021年7月16日
鑑賞方法:映画館
(イオンシネマ小樽/THX劇場にて)
2021年173本目。
7月15本目。

🗣面白い、とっても面白い!だけど、とても惜しい映画。歌がめちゃくちゃ良いです。気づいただけでもオメガモン(ガルルキャノン)、時かけの「タイムリープしてね?」のシーン、仮想空間のクジラなどなど、監督の過去作のセルフオマージュ的シーンが詰まっていて楽しい。
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