ドラえもんは猫型ロボット

1秒先の彼女のドラえもんは猫型ロボットのレビュー・感想・評価

1秒先の彼女(2020年製作の映画)
4.0
「何を失くしたって?」
「一日です。消えたんです」

この導入部分で一気に引き込まれた。
「じゃあ、手続きしましょう」という交番のお巡りさんの対応も面白かった。

〈あらすじ〉
何をするにも人よりもワンテンポ早い主人公は、30歳独身彼氏なしで貧乏物件に住む冴えない女性。偶然知り合った男性に七夕のカップルイベントに誘われて、意気揚々と出かけるが、気づいたら、次の日になっていて、男性とも連絡が取れなくなっていた。いったい何が起きたのか?主人公が調べていくというお話。

独特な世界観で展開される時間をテーマにした台湾のSF(すこしふしぎ)ラブコメディ。

フォローさせていただいてる、
梅ちゃんさんの作品レビューが面白そうだったので鑑賞。
ほとんど恋愛映画みない自分でも、この作品は凄く面白かった!
梅ちゃんさん、ありがとうございました😄

念願のデートと失われた記憶を探る主人公目線の謎かけ前半パートと、
後半のもう一人の主人公視点で語られる回答後半パートのバランスが○。

独特の世界観を構築する映像表現も面白く、前半のとにかく人とズレまくる主人公の構図と、後半主人公による唐突な不思議世界の介入が、違和感なく作品に落とし込まれているのがとても良かったと思う。

不幸な身の上を笑い飛ばす前半主人公の明るさと、世界の不思議に彩られた後半主人公の儚くも切ない幻想的な世界観が素晴らしい。

主演の二人もキャラクターによく合っていたと思う。

笑って、しんみりして、そして笑顔になって。
こういうラブコメ好きだなぁ。

小説家の森見登美彦作品のような、不思議で独特な世界観が好きな人には、本作品ぶっ刺さるのではないだろうか。
個人的には、とても面白かった!
大満足です😆

「恋は記憶のパズル。でも君の大切な記憶は相手にとって無意味かも。人生はそういうもの」
ときおり挿入されるラジオDJのこの突き放したセリフも、ただ甘いだけではない本作品を象徴していて良かった。