氷雨水葵

クライモリの氷雨水葵のレビュー・感想・評価

クライモリ(2021年製作の映画)
1.5
2023年61本目

これは『クライモリ』ではない

◆あらすじ
アパラチア山脈の自然歩道でキャンプを楽しむため、バージニア州の小さな町を訪れたジェンと友人たち。

しかし、好奇心からコースを外れ、森の奥で迷子になってしまう。

仲間内で言い争いになりかけたとき、突如倒木が転がり落ちてきて―――。

◆感想
『クライモリ』のリメイク作品ということで、劇場に観に行くか迷った挙句、結局観に行かなかったやつ(正解でした)。最後まで…というか途中で思った感想は「これはクライモリではない」でした。え、クライモリってこういう内容だっけ?ってなるくらい、最悪なリメイク。そもそも食人族の話だったのに、今作は人を食べないどころか、謎の民族(普通の人間に見えるが)が登場し、でもその人たちもどことなく現代人っぽくて意味がわからん。ラストは普通に服着て車まで運転してるし、どういうこと?状態でした。もはやただのオカルト集団で、かつての食人族とはまったく別物。グロ描写は多々あったものの、オリジナル版に比べたら少ない印象。訳のわからん言語を話しても、決して人を食べることはないし、鹿のお面をとっても普通の人間に見えるし、びっくり仰天な奇形人間が出てくるわけでもない。『バイオハザード』の製作陣とうたってはいるけれど、だから何?という感じ。オリジナル版はあきらかB級作品だったけど、それでも「面白い」と思ったし、よく出来ていました。なのに、なぜ今更リメイク…というかこんな別物を作り出したの?
娘が仲間たちと森に消える時間軸と、父親が娘を探しに行く時間軸、ここが交互に描かれていたのもイマイチで、それならもっとテンポよく物語が進んでほしかったところ。上映時間109分がさらに長く感じ、伏線回収や勢いが一気に失速した感じでした。オリジナル版の脚本を担当したアラン・マッケルロイが参加しているとはいえ、とんでもない『クライモリ』になったもんだ。ただ、ヒロインが助かった後の展開は面白かったです。予想はできたものの、少しニヤっとしました。
氷雨水葵

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