たかちゃん

コンフィデンスマンJP 英雄編のたかちゃんのレビュー・感想・評価

2.0
これは「映画」を舐め切っている。一つの出来事を、主要人物ごとの目線で繰り返し見せるのだが、それは一度で描けるはず。しかも1か月前とか1日目とか、やたら時間を遡る。それを人物ごとに繰り返すのだが、それはトリック、仕掛けの「説明」でしかない。一件落着後の種明かしの「説明」もグダグダと長すぎる。
トリッキーな『探偵<スルース>』(72)、犯罪コメディ『スティング』(73)の、スマートで無駄のない「映画」を見習ってもらいたい。
舞台はマルタだが、無意味にマルセイユにも行く。しかし、公開中の『スティルウォーター』(21)や、ジャン=ピエール・メルヴィルの『ギャング』(66)、そのリメイク『マルセイユの決着』(07)等で描かれた、不穏で閉塞的なマルセイユとは真逆で、本作のマルセイユはただの観光地ではないか。
「詐欺師は英雄なんかじゃない」と、当たり前のことを最後に言われても、今更何を言うか。悪事を働く、同じ穴のムジナだろうが。
たかちゃん

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