ソポクレスの戯曲で有名なギリシア悲劇『オイディプス王』に、パゾリーニ監督の幼少期の苦い親子関係が生々しく投影されている作品。コンプレックスを包み隠さずに全開に曝け出し、それをひとつの芸術へと昇華させてしまうのだから素晴らしすぎる。臭かろうが醜かろうが自身の実情を完全に曝け出しているものはやはり崇高。これぞ芸術。巨匠たるものの凄まじさを心底感じる。
美術や衣装にも見どころがたっぷり。そして超絶景ロケーションも。カメラワークや音楽の奇抜さも印象深い。強烈に癖になるような世界観。定期的に観返したい作品。
