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ホロコーストの罪人のskm818のレビュー・感想・評価

ホロコーストの罪人(2020年製作の映画)
3.8
戦時中ノルウェー政府と警察がナチに加担してユダヤ人を迫害し絶滅収容所に送っていたという話。主人公一家のブラウデ家は実在した一家なのだそうだ。秘密警察の副署長や弁護士の人、近所の人数名も実在、あとは架空という感じ。歴史ものなので、アウシュヴィッツに送られてシャワーといえばどういうことか、見てるこちらは分かっているが、登場人物たちは知らない。しかしどうすることもできず、映画を通して親しみを覚えた彼らが死に向かっていくのを見ているしかできないというもどかしさ。こわいしエグい。この一家はリトアニアから亡命してきた一家で、両親や兄は警察の怖さを知っているから反抗するなというんだよね。娘はスウェーデンに逃げたが、あとのメンバーは一人を除いて殺されてしまった。なぜチャールズが残されたかという理由もエグい。これはどれだけ愛していても元には戻れないかもなあ… 殴る蹴るはあってもホロコーストものにつきもののいきなり射殺というのはなかった。皆いつか解放されると思っていただろう。多くのユダヤ人にとってその日は永遠に来なかったのだけど。
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