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ホロコーストの罪人のmのレビュー・感想・評価

ホロコーストの罪人(2020年製作の映画)
3.7
ノルウェーにおけるホロコーストの実態を描いた、ノンフィクションの原作をもとにした作品。

今までホロコーストについて描いた映画を見ても、極端に言えば「被害者であるユダヤ人と残酷極まりないナチス、そして胸がしめつけられる苦しい気持ちになる結末」という記憶で自分の中では終わってしまうことも多かった。漠然とヨーロッパで起きたことという認識で、映画で描かれた出来事や登場人物がどの地域のことなのかということもあまり意識して見ていなかったと思う。

ですが本作では、当時ノルウェーがどういう状況で周辺国とはどのような関係性にあったのか、ノルウェーにおけるホロコーストの背景にはどのようなことがあったのかなど、映画を見終えた後にもあれこれ関心を抱いてしまいました(自分の無知さを実感…)

このような史実に基づいた映画では、この事実を発信して語り継がねばならないという作者の使命感のような思いが込められていることも多いと思うのですが、そういった意味では特に私はそのメッセージをそのままストレートに受けた作品だったなと思います。

劇中でホロコーストに加担したノルウェー人たちを擁護するわけではないけど、咄嗟に出てくる差別的な発言や態度は長年心の根っこにあった本音でもあれば、戦況が悪化するにつれて生きていくためにそうせざるを得ず、いつの間にか変わってしまったということもあるのかな(あのタクシーの運転手さんとか。)

これが過去の出来事で終戦とともに終わったことではないのだなと、元の家族の関係性に戻れなかったことからも、色々思うラストだった。現在世界で起きてる迫害や紛争とも地続きになっているようで。