FATMAX夜食のデブロード

デンジャー・ゾーンのFATMAX夜食のデブロードのレビュー・感想・評価

デンジャー・ゾーン(2021年製作の映画)
3.5
Netflixオリジナル作品である。
本国の人が聴いても「アイツは何言ってるのか分からない」で有名なケニー・ロギンスがギター掻き鳴らしながら叫ぶロックナンバーに合わせてトム・クルーズがF-14で飛んだりする事は一切無い。

メカニカルな代理戦争という《メタルギア》ライクな近未来にAIと人間というSFでは定番のテーマをブチ込んだ戦争アクション/スリラーという感じだろうか。

個人的には大好物である。

ただ、設定上アクションとしての部分を蔑ろには出来ない題材でスリラー寄りにシフトしている(後半は特に)のでチョイとばかり説明的なセリフが多い。

根底にあるテーマに対する結論もぶっちゃけ言うと唸る程ではない。

ココら辺が原因でダルく感じる人は多そうな気はする。

実際 世間的な評価はソコまで芳しくない意見が多め。



とは言ってもワシは個人的にコレぐらいの"あえてソコまで小難しく描かない"タイプは嫌いじゃない。

〈命令のパラドックス〉の件(くだり)は面白いし、ロボット代理戦争と確率論による一般市民に対する無慈悲さは近年のドローンを題材にしたドライな戦争を描く映画のアップデート感があってコレも良い。


まぁ確かにジャンルもテーマも色々と〈詰め込み過ぎ〉という言葉で片付けてしまえるのだが、そうやって冷たくあしらいたくはナイなぁ…と。

どうしても設定や映像のルックでバイオロイド無双や爆盛りドンパチをイメージしそうだが そうではなく、かと言ってハードSFとしては弱い。

つまりどっちを期待しても薄く見えてしまう。

それは分かるのだが、個人的にはサスペンスフルな展開が結構しっかりしてたと思うので飽きずに観れましたよ。


決してバランスの良い作品じゃないが、基本的に『この作品はスリラーだ』と思って観れば結構好きだと言う人も居るんじゃないかな。

…あ、それ ワシの事かww



快作/傑作/頓挫しかけた映画を救う救世主だけじゃなく、"こんな感じ"ぐらいの映像作品も出せるアラカルト感がNetflixオリジナル作品の強み。

そういう意味ではこういう「DVDレンタル店ではメインの棚には置かないけど横の方に1段の1/3ぐらい置いてます!」ぐらいの位置に来そうな

《真面目路線な中〜低規模予算のB級作品》

があるってのも良い事ですよ。



結論、ワシはこの作品 結構好きです。


単純にアンソニー・マッキーが結構好きだってのもあるけどねw


あと、スコア(BGM)が【M:I フォールアウト】等のローン・バルフェだったのはエンドロールで『あーーー!やっぱりか!』となったww


ちなみに監督はスタローン&シュワルツェネッガーの【大脱出】撮った人。