ハニルくん

デンジャー・ゾーンのハニルくんのネタバレレビュー・内容・結末

デンジャー・ゾーン(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ロボット兵士たちによる戦争が一般化した時代に、米国軍によって開発されたAI搭載アンドロイド兵士が、上官として主人公と作戦を共にするが、それは実は、そのアンドロイドが主人公を利用してプログラム外のクーデターを起こそうとしていたということであることが分かる。AIがすでに人間のあらゆる感情操作を身につけているので、本来、内面のやむを得ない表出として表れるはずの感情が、実際には意図に基づいた計算によるものであるという時にも、人間はどんどんそこに巻き込まれて操られざるを得ないし、それに支配されざるを得ないということは、見ている観客も同じである。すなわち、何が真意なのかは言葉や表情、感情表現ではなく行動が進む結果であるということになる。これは『HER』という映画でもそうであったが、私たちがAIとつき合って行く上で絶対に忘れてはならないことだろう。そういう問題提起として重要な経験になる映画だと思った。