南宮龍八

熱血男児の南宮龍八のレビュー・感想・評価

熱血男児(2006年製作の映画)
4.0
殺す相手の母親の食堂でメシを食ったり買い物手伝ったり、茶房のアガシとイチャついたかと思えばテコンドー道場の生徒と田んぼで泥投げしたりと、もの凄くまったりとしたムードで展開される異色のヤクザ映画。一瞬拍子抜けしそうになるが「アジョシ」や「泣く男」などスタイリッシュでゴリゴリのアクション映画とは対照的な泥臭い香りがけっこうハマるイ・ジョンボム監督作品である。粗暴だが親子の情に惑わされるなど意外と慈悲深いソル・ギョングの演技は絶品。冷徹になりきれなかったヤクザの末路はロクな結果にならないのが定番だが舎弟のチョ・ハンソンもゴミ雑巾のように使い捨てにされそうな不器用オーラを醸し出す。ヤクザの息子ユン・ジェムンとソル・ギョングの対立を知ってしまう母親ナ・ムニの辛い心境もずっと心に残る。

2014/10/04 再鑑賞
南宮龍八

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