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漁港の肉子ちゃんのt0moriのレビュー・感想・評価

漁港の肉子ちゃん(2021年製作の映画)
4.5
ロードショーで観逃してしまったのを、吉祥寺凱旋上映(とは知らなかったのだけど)で観賞。とても良かった。大変満足。

原作を読んでいないので、どのくらい原作要素なのか分からないけど、このチームの前作『海獣の子供』と180度違う、はっちゃけた動きが心地良い。『ど根性ガエル』を自分のアニメーション魂の源と思っている自分には、たまらないご馳走だった。

タイトルの肉子ちゃんの人生は、あくまでバックボーンを支える土台として、思春期の少女の屈託と成長を瑞々しく生き生きと描き、ラストシーンの誰もが釣られるシーンでは、劇場でほろりと涙が出ていた。
どこか異界と繋がってでもいるかのような、小動物たちの独り言と、二宮の変顔がまるで異界の扉のようでいて、近寄ってよく見れば、誰にでもある心の有り様だったりするのもツボだった。

肉子ちゃんを演じた大竹しのぶがまず素晴らしい。女優の凄みを見せつけられた思い。また、娘のキクコを演じたCocomiの声も大変心地良かった。所々、聴き取りにくい所や拙い所はあるのだけど、それも含めて好感触。

とにかく劇場で観られて良かった一作。
上映後に、渡辺歩監督と演出さんとVFX監督さんの話が聞けたのも、良かった。
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