decap

スーパーノヴァのdecapのレビュー・感想・評価

スーパーノヴァ(2020年製作の映画)
4.3
思いがけず早く訪れた最後の瞬間を生きる、とあるカップルの愛の物語。
共に歩んだ歳月の長さと濃密さが説明をせずとも見て取れる豊かな描写と演技の数々には溜息が出るほどに美しい。二人で過ごせる時間の終幕を意識し、ロードムービーとしてイギリスの湖水地方の雄大な風景と共に美しく過ぎ去っていく。
相手を想う気持ちの強さとエゴの狭間に苦悩し、愛ゆえの憎しみをも用いて残酷な事実に向き合うために、コリン・ファースとスタンリー・トゥッチがこの2人でしか描けない感情の応酬を見せつける。
相手と自分をイーブンで想い合う美しい風景を丁寧に描き、エルガーの「愛の挨拶」で締める上品さ!
最期の煌めきという意味でタイトルを用いているが、冒頭のこまやかな映像がニューロンにも見えて面白かった。
監督は長編2作目のハリー・マックイーン。近年再評価の波も目立つケリー・ライカートにも似た雰囲気。
キートン・ヘンソンによる物悲しくも優しい音楽も素晴らしい。サントラ欲しい
decap

decap