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王子と王女のおはなしのdm10foreverのレビュー・感想・評価

王子と王女のおはなし(2017年製作の映画)
4.1
【晴れのち雨】

今日は天気がいいから傘もいらないよねってルンルンで外に出て広~い公園をのんびり散歩していたら突然ゲリラ豪雨に襲われたような感覚。

まさか、そういうお話だったのね・・・。

ジャケットからもぶんぶんに伝わってくる「母の愛」。
これだけでもCM1本出来そうなくらいの微笑ましさ。

まず、何と言っても女の子の破壊力が凄すぎる。
めちゃくちゃ可愛い。
1~2歳くらいかな?既にくっきり二重の「ザ・外人の可愛い赤ちゃん」。
で、その子がお母さんのお話を聞きながら、喜怒哀楽をキチンと表情に表していて、「楽しい」だけじゃなく「悲しい」とか「どうなったの?」とかをお母さんの言葉や表情から読み取って共感する。
これって、実は凄い事。あの歳にして「女優」爆誕。

物語は、お母さんが我が子に「王子と王女のおはなし」という童話を聞かせるというお話なんだけど、すぐにそれは「お母さん本人」のお話だという事が分かる。

恋に恋していた若い頃。
色んな国の王様との出会いや別れ。
そして遂に最高の王子様との出会い、そして結婚。
愛し合った二人の間にはとてもかわいい赤ちゃんが生まれました・・・それがあなたよ。

もう、微笑ましすぎて、すっとニヤニヤしながら観ていた。

「ところが、ある日。姫の目の前にドラゴンがやってきて・・・」


物語の色合いが途端にセピア色に変わる瞬間。

意味が分かった瞬間、「ドキッ」として、そこから涙が止まらない。
お母さんが我が子にこのお話をしたのには、そういう意味があったんだね・・・。

聞かせてあげるお話の描写もちゃんと作り込まれていて、積極的なお母さんと奥手なお父さんの初デートの距離感を「二人の影」で表現したシーンはとても印象的。
ホントは自分からリードしてキスをしたいっていう心の中の願望を「影」が叶えてくれるけど、実際は彼女の方が積極的にキスをしているっていう対比が微笑ましい。

以前、Mr.Chirdlenの「くるみ」という曲のPVにも似たような演出があったけど、目の前にある幸せが霧のようにフワッと消えていくシーンって本当に切ないよね。


娘ちゃんには絶対お母さんの愛は伝わっている。
この子ならきっと大丈夫。

・・・いや~、15分前には想像もしてなかった展開だからさ、やられたわ。
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