鷲尾翼

戦場のメリークリスマス 4K 修復版の鷲尾翼のレビュー・感想・評価

4.0
【まとめシネマ】#376

【まとめ】
* 名シーンの破壊力!
* 日本を否定する大島渚監督
* 貴重な作品を映画館で観れて良かった!

本作をちゃんと観ていなくても、あの有名なシーンだけは分かるという人が多いだろう。特に有名なのが「デヴィット・ボウイのキスシーン」「北野武『メリークリスマス、ミスターロレンス』」だろう。

何度もモノマネされてきたあのシーンだが、作品のラストを飾るこの一言の破壊力は凄まじい。デヴィット・ボウイのシーンはどれも素敵で作品を鮮やかに染めていく。

もうひとつ有名なものといえば坂本龍一作曲のテーマ曲。
映画館の素晴らしい音響で聴くと、壮大な素晴らしさを作品と共に包んでくれる。

本作で印象的なのが日本を「悪」のように描いているところ。
舞台はジャワ島の日本軍俘虜収容所で、その中で描かれる日本軍の姿は非道な部分が多い。デヴィット・ボウイら外国人の姿にどこか正しさを感じる描き方は異様だ。

一般的な戦争映画の内容は、その国の語り継ぎたい内容を描いていることが多いが、本作は日本国の文化、宗教観を否定している。

本作は2023年に大島渚作品が国立期間に収蔵されるため今回の大規模なロードショーが最後になってしまう貴重な作品。そんな作品を映画館で観れて、改めて作品の素晴らしさと感謝を。
鷲尾翼

鷲尾翼