磨

戦場のメリークリスマス 4K 修復版の磨のレビュー・感想・評価

3.8
大島渚監督、最大のヒット作品の4K修復版。…ですが、未見です。
作品の概要もキャストも、そして坂本龍一によるテーマ曲も知らない状態での鑑賞でしたが、期待通り素晴らしい作品でした。
今ではそこまで珍しくない“戦争をしない戦争映画”だけど、戦争の残酷さや悲惨さはこれでもかという程伝わってくる。同性愛の描写と同様、当時はかなり珍しかったのではないでしょうか?

ノーランも絶賛したデヴィッド・ボウイの演技とカッコよさは抜群。存在感は半端ない。演技ということに関しては(当時)経験のない北野武と坂本龍一の脆さを感じる演技も、なぜかこの映画にはハマっている。どこか浮き足立ったように感じるが、当時の日本兵を映し出すという意味では見事な配役だったのかもしれません。

全体的に見て物語が良いのは確かだけど、それ以上に不思議な魅力を持つ映画に感じた。坂本龍一の楽曲も含め評価の高さも頷ける。大島渚監督が名匠たる所以だと思いました。


正直、大島渚さんを最初に知ったのは「ボキャブラ天国」。その時も酔ったような人だなぁ、とは思っていましたが、氏を強烈に印象付けたのは野坂昭如氏とのアレ…。それが強すぎて亡くなるまで良いイメージがありませんでしたが、こうして作品を知ることができて良かったです。



最後に最大の恥ずかしネタを一つを告白します。北野武の名セリフの1つとして有名(?)な「ファッキンジャップくらいわかるよ馬鹿野郎‼︎」という“BROTHER”の台詞をこの映画であるものとマジで勘違いしておりました。
鑑賞しながらいつ言うんだろうと思っていましたが…。あぁ、恥ずかしい(笑)
磨