jonajona

戦場のメリークリスマス 4K 修復版のjonajonaのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

映画館で見れてよかった。
本当にこの劇版をなんど映画館で聴きたいと思ったことか…

『お前は何もわかっとらん!
分かってるのはローレンスだけだ!』
そう言って外国人俘虜を竹刀で非常に打ちつけたあと、鬱蒼とした毒々しいジャワの森林の捕虜基地を歩いて行くタケシたち。
青みがかった遠景にオレンジのロゴで『Merry Xmas Mr.Lawrence』
いつか映画館で観たいと思ってた美しいオープニングがようやく観れた。

嬉しい。

赤い花を齧ってヨノイを
睨みつけるセイラズ。
脱走したセイラズとヨノイが
刀を持って対峙するシーン。
ハラ軍曹が酒に酔って気まぐれに
2人を釈放したクリスマスの夜。
群衆の中から出て行って
ヨノイの頬にキスをセイラズ。
昔のようにローレンス!と
呼び止めてお別れの挨拶を言う
ドアップのハラ軍曹(てかタケシ)。

音楽が素晴らしい。
お互い抱える死に様と生き様の死生観。
国と国、文化と意識の壁は厚くてそれでもお互い一瞬壁に穴が空いたように気まぐれに心が通い合う瞬間がこの映画にはある。

自分はなんとなく40歳位までは生きられる、と考えてた(そんな事思いつつ60、70まで生きれる気でもいた)けど、どうも病気をしてしまって。
もしかしたらだけど長生き出来ないかも知れない。少なくとも体が自由な期間は思ったより短くなりそう。
思い残した事はたくさんあるけれど、せめてこの先この映画のデヴィッドボウイのように凛として生きたい。

冒頭に男同士の捕虜と軍人の肉体関係を厳しく裁く小エピソードを持ってきてるのが見事。この先の展開と、それによって起こるであろう事柄を全て予見しててガイドラインになってる。
jonajona

jonajona