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三姉妹のkyokoのレビュー・感想・評価

三姉妹(2020年製作の映画)
3.8
台湾映画『弱くて強い女たち』のような温かみのある三姉妹ものを想像していくとかなり痛い目に合うので要注意。
「 야 ヤー!!!!」という金切り声が響くたびにメンタルが擦り切れた。

実は私も三姉妹の末っ子だったりするのだけど、この作品に「三姉妹あるある」は見いだせない。理不尽な人生を笑って誤魔化すことしかできない長女、家庭の綻びを信仰で繕おうとしながらそれがどんどん大きくなっていることに気づかない次女、スランプで酒に依存する三女、どれをとっても共感は難しかったのだけど、耳障りだった声が悲痛な叫びに変わり彼女たちが背負ってきたものがはっきりと見えたとき、涙が止まらなくなってしまった。
キリストの教えが家父長制を増長させていることも母親が被害者と加害者の両面を持ち合わせていることもどこかで見た光景で、韓国またこんなんかよ!って思わないでもないけれど。

今作で特筆すべきはやはり女優陣の力。
ムンソリの安定感も監督夫人でもあるキムソニョンの幅広さも相変わらずだけど、スーパーモデルぶりを完全に消し去ったチャンユンジュがすごい。
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