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ボストン市庁舎のalsaceのレビュー・感想・評価

ボストン市庁舎(2020年製作の映画)
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個人的に今年注目の1本です。

ワイズマンのドキュメンタリーは、NY公共図書館 エクス・リブリスを、見た時も思ったけど今時考えたい“公共”について、とても良い題材だと思う。

今回も音楽・ナレーション一切なし。上映時間もさらに倍の272分!

「説明する事の重要性」と「聞く事・調べる事の必要性」が対になってるなと冒頭の対話のシーンを見ながら感じました。

ボストンの街の現状を絶賛する気には全くならないけど、第三者の前にこんなにカメラが入って、色々撮影出来てる部分は、羨ましいと思った。

日本だと行政に対する不信感が高くて、普通の市民がタウンミーティングレベルで丁々発止のやりとりするレベルまで熱くなれるか疑問だなとも感じたんだけど、「信じる・信じない」の問題というよりも、まずは、聞いてみる・考えてみる・調べてみる。そして、現実を見よ。という事なら、日本に住むウチらでも出来るかなと。

それと要所要所に挿入されてくる市長のスピーチが、どれも的確で中々良い。日本の首長には、あまり感じられない特徴で、印象に残りました。

映像に身を委ねる娯楽作と対照的。
この人の作品は、毎回考えながら見る映画。有名俳優が出てなくても魅力的な作品ってあるよね。と改めて認識させてくれる監督でした。

@ 山形国際ドキュメンタリー映画祭オンラインにて鑑賞
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