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ボストン市庁舎のarchのレビュー・感想・評価

ボストン市庁舎(2020年製作の映画)
4.1
ワイズマンは『ニューヨーク公共図書館』で教育と公共なアクセスによって不平等はなくなると、公共施設が社会に平等をもたらす存在だとその透明なカメラを以て証明した。
そんな彼が本作でカメラを向けたのは、行政機関のあるべき姿、多様性を保証する民主主義の力だ。
ボストンはアメリカの歴史を象徴するように移民による多様な人種によって構成される。そこには貧富やジェンダーの格差が生まれており、アメリカの縮図になっている。
ボストン行政府はそういった問題に常に平等な意見の機会を設け、意見交換をしていく。これこそが民主主義の形だと私は感じた。当事者からの意見交換の場を設ける行政もそうだが、しっかりと出席して意見を出す市民の姿にも民主主義の力を感じた。投票率の伸びない日本には耳(目)が痛く、諦めるのではなく行動することのアメリカの意義がこの映画には描かれている。


また民主主義の素晴らしさみたいな一面だけではなく、行政機関の仕事を魅力的に映画にして見せているのもワイズマンの凄さだろう。違反切符や監視カメラのシークエンスは普通に見るだけでも面白い。そこには行政をただのシステムとして捉えずにそこで働く人を描く重要さを感じさせた。

さすがに4時間は長かったが、必見の一本です。