セッセエリボー

ボストン市庁舎のセッセエリボーのレビュー・感想・評価

ボストン市庁舎(2020年製作の映画)
4.2
別に決定的なものなど何も感じさせない画面に長回しで収められた人物が、母語だとしても追えるか自信ないくらいのかなり実務寄りのマシンガントークを繰り広げる、この持続は申し訳ないけど映画というよりZoom会議のそれに近い。実態に即した極めて具体的で建設的な議論が遂行されるあたり「翻って弊社…」と悲しくなることしきりだが、市場からも国家からも適切な距離を維持しつつ「誰一人取り残さない」を理念ではなく実践でやるというのはなるほど行政にこそ可能なんだろうし、猛スピードで崩壊に向かう資本主義に代わるものを無理にでも考えなきゃいけない時代にトランプの衆愚でもプーチンの強権でもないひとつの可能性をそこに見出せるのは確かだと思う、ただ当然ながらその過程を4時間半眺めることはあらゆる高揚と無縁…。マイノリティの究極は個人だという姿勢からは「個々の具体的な問題に対して国家が見せる無能さたるや」的なことをドゥルーズがどっかで言ってたことを思い出すしデヴィッドバーンが『アメリカン・ユートピア』の中で力強く述べていた「地方からも改革は起こせる」という言葉にひとつの具体例でもって応答しているようにも見えた。にしてもマイノリティの雇用が絡む会議で度々チェアマンを務める坊主の方を筆頭にこの市職員方の受け答えの実にしっかりしていることは大麻屋さんの質疑応答でのあまりの胡散臭さと好対照を成している、というか見るからに悪そうすぎるだろ。こんなコワモテでも獅子舞は見たいのか。
それなりに歌の上手い二人が正確な音程でデュエットしてるのに不思議と全くハモって聞こえないことってある。