おくるみ

ボストン市庁舎のおくるみのレビュー・感想・評価

ボストン市庁舎(2020年製作の映画)
3.8
この映画終わるの?と思うくらい長かった。でも、それだけかける必要はあったと思う。成熟した国家(いや市庁か)ってどういうことなのかよくわかった。ながーいけどたくさんの人に見てほしい。とても希望のある作品。でも長いので家で見るのはキツい。ぜひ劇場へ。

SDGsとはなにか。誰も取り残さないってどういうこと?ようやくパズルのピースがはまった感じがした。そして、それってつまり、もっと民主主義について突き詰めて考えようぜ、本気で民主主義やろうぜってことなんだなと。

「エコ」が「ロハス」になり「SDGs」になり、環境の代名詞みたいに言われてるのは完全にミスリードだと思う。でも4時間半見て、ようやくかたちが見えてきたので、伝えるのは難しいとも思った。

つくづく思い知ったのは、リーダーシップの重要さ。職員だけでなく市民との対話にもエネルギーを費やす市長。誰よりも身を粉にして邁進する背中を見れば、自ずと周りは引っ張られるし、指針が健全で明確なので、ついていく人の顔も誇らしげでピカピカしてる。そんな当たり前のことに感動してしまった。仕事ってこうあるべきだよな

その反対が、大麻の店を開店するという議論に出てきた出店者側の人たち。それまで、市庁の職員の人たちの清々しい顔を見てたので、うわー…と思った。ギョッとした。どろっと顔が溶けて見えた(でもこれを真剣に議論するって、日本では考えられないよなぁw。議論以前に逮捕でしょう)

もうひとつは、正当な理由と認められたら交通違反が免除になる制度。それには違反者が自分の正当性を必死で訴えなければならない。これも日本人にはムリだろうなー。お国柄っておもしろいなと思った。とにかく老若男女貧乏も金持ちも、みんなひたすら議論する。しかもちゃんと相手を立てながら。アメリカの教育ってすごい。

市から国を変えようと本気で訴える市長の姿に胸打たれた。できないって誰が決めた。そう言われた気がした。

文句があるとすれば、ラストシーンで取り組んだ結果を言うシーンはあるけど、個々の問題を議論して、結果どういう形で解決したのかは描かれていない。それがモヤっとするところ。ドキュメンタリーといえども、編集した時点でフィクションになり得るので、そこは誠実にやってほしかったかな。

あと、リアルシムシティ…と思ったw

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ウォルシュ市長は、去年市長からいきなりバイデン政権の労働長官に就任したのか。で次の市長が黒人女性。いいね。いいことだ。2人とも大変だと思うけどがんばってほしい