Ryoma

ボストン市庁舎のRyomaのレビュー・感想・評価

ボストン市庁舎(2020年製作の映画)
4.1
妙だな。この心地よさは何なのだろう?
僕は一つの結論を出した。
この心地よさは、きわめて自然な発話のリズムにある、と。
英語特有の跳ねるような発話のリズムを、できるだけそのままの状態で増幅も減衰もさせずスクリーンに波及させる。これが簡単なようで(多分)相当難しい。
でもそれをやってのけてる、このおじいちゃんの監督は。凄い。
映画でありながら映画を感じさせない、演出をしないという演出。
その恐るべき効果が、(政治的な主張を抜きにして)まるでジャズのインプロゼーションのようなきわめて自然で、それこそ「無作為的作為」とでも言いたい心地よいリズムの波を生んでいる。
この「波」が謎の心地よさの正体なのかもしれない。
Ryoma

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