ワイズマンによる実に4時間半にも及ぶ、ボストン市庁舎の人々の仕事ぶりと、その地に住む様々な人種から成る市民達を写し出したドキュメンタリー映画。
北欧の大自然を多く撮影してきたフィンランドの写真家ペンティ・サラマッティの言葉に「おそらく理想的な写真家とは、誰にも気付かれず、誰にも影響を与えず、ただ観察している人のことだろう」というのがありましたが、本作はまさに観察の映画でした。(映画なので人々に影響は与えますが)
確かに長い作品でしたが、とても面白かった!
自治体も市民の為に懸命に働き、市民はより良い街づくりの為に集会にも参加し意見を述べる。
ゴミなら何でも丸呑みしてしまうゴミ収集車など、実に(あまりよろしくない意味で)アメリカらしいところもありましたが、ボストンにおける自治体と市民の関係性は自分の住んでいる地域なんかよりも遥かに正しい方向を向いているように感じました。
マーティ・ウォルシュ市長も、市民に寄り添う素晴らしい人物でした。
時折挟まれる街のアーキテクトを捉えた映像なんかも流石はワイズマン。
唯のドキュメンタリー作品とは一線を画しています。
是非、日本の都市部の首長にも本作を観てほしいです。