ベビーパウダー山崎

ボストン市庁舎のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

ボストン市庁舎(2020年製作の映画)
4.0
市井の人々が抱える様々な問題に、それぞれが正面から対応しようとしている。格差や性差によって引き起こされる問題が受け入れられる時もあれば、難航する場合もあり、それこそが社会の現実(限界でもある)。
大切なのは、それでも対話とコミュニケーションを通じてそれらの問題と向き合い続けること。これはこうなんだからと、ゴールへの最短ルートを我が物顔でいい切るようなビジネス書や、SNSに蔓延る「正解」を知っているような面して近づいてくるクズ共とは真逆のアプローチ。解決方法を提示する(探す)ために弱者と積極的に交流していき、簡単な結論や安易な成果を求めるのではなく、その複雑で多様な過程を見つめ、考え、一歩一歩と辛抱強く進めていくことの重要性。
団結や信念、社会からこぼれ落ちてしまった人たちをどれだけ(どうすれば)救えるのか。べつにボストンだけの話ではなく、私たち一人ひとりが常に考えていなければならないことでもあって、まずはこのクソ暑いなか町中に立ち続けるホームレスからBIG ISSUEを買うところから始めてみようか。