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レッド・スネイクのクリームのレビュー・感想・評価

レッド・スネイク(2019年製作の映画)
3.9
『バハールの涙』に比べると映画的な脚色はあると思うが、ヤジディの人々の苦難やISISの卑劣なやり方は事実に基づいていると思います。イラク西部の少数派ヤジディ教徒の村がISに襲われ、村にいたザラは父親を殺され、家族や弟と生き別れ、自身は奴隷として IS のメンバーに売られるが、叔父に連絡をとり隙を見て逃げ出す。途中、『蛇の旅団』に救われたザラは、自分もメンバーに志願し、一緒に闘いながら、生き別れた弟を探す。クルド人を支援している連合軍の中に様々な国の女性だけで構成される特殊部隊「蛇の旅団」。IS では、女性に殺されると天国に行けないと言われていて、彼女達は恐れられていた。実話を元に作られているので、単なるミリタリーアクションではない重さがあり、見応えもありますが戦闘シーンは、少なく地味です。また、ラストは脚色っぽいですが、それを差し引いても興味深い作品だと思います。



ネタバレ↓




ISISの宗教の概念は、自分達に都合の良いもので、呆れるばかりです。作中でもアル・ブリターニは妻帯者であったものの、ISISは異教徒の女性は人間とみなしていないため浮気とはならず、平気でザラをレイプします。しかもコイツ、イギリス人。ISISにわざわざ先進国から志願した最悪な男。また、大人の男たちは虐殺され、ケイロを含む子供は洗脳され、無理矢理イスラム教に改宗させられISISの戦闘員にされます。何年か前にドラマ『イスラム国で暮らす』(Netflix)にはまり鑑賞したのですが、ドラマ内でもヤジディ教徒の人々は奴隷で、酷い扱いを受けていました。色々な作品で、同じ様に描かれているので、事実なのでしょう。
ただ、本作のISISの宣伝カーのアナウンスの内容はどうなんだか?と思います。
キュウリを人前で食すな、男性器を思わせる。
死後1時間を越える死体との性行為は禁止だ。
さすがにどうなんですかね?でもホントっぽい気もする。考え方が常人には理解出来ないですからね。
私は、総合的に興味深くラストも気持ち良く終われるので、観て良かったと思います。やっぱり、女性が活躍して、ISISのクソどもをやつけるのは、爽快だ。
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