とうがらし

茲山魚譜 チャサンオボのとうがらしのレビュー・感想・評価

茲山魚譜 チャサンオボ(2019年製作の映画)
3.2
19世紀初めに著された海洋生物学書「茲山魚譜(チャサンオボ)」を元にした韓国の時代劇ヒューマンドラマ。

キリスト教弾圧で流罪になった学者・丁若銓(チョン・ヤクチョン)は、たどり着いた島で、一人の青年漁師・昌大(チャンデ)と出会う。
昌大は、海洋生物に詳しく、丁若銓は驚いた。
老子、荘子、西洋の学問などあらゆるものを学んできたが、私は海の生き物を知らない。
人の正しい道のため、何を学んできたのだろうと。
一方、昌大は書物を読もうと苦心していたが、学がなく読むことに苦労をしていた。
互いに師弟関係となり、やがてはそれを超えた友情となる話。

個人的には、変則形の韓国版「切腹」(小林正樹監督)だと感じた。
時代劇の形式はとっているが、過熱さが増す自国の儒教社会への批判。
学びの本質とは何か?と通して、現代の受験戦争や学歴社会、兵役問題などに対する痛切な問いかけをしている。
所々コミカルで、ここがキーポイントと示すが如く、分かりやすくセリフで言ってしまい、陳腐な演出もみられるが、概ね印象は良かった。

予告編
https://www.youtube.com/watch?v=5PlHabckbu0
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