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茲山魚譜 チャサンオボのちゃわんのレビュー・感想・評価

茲山魚譜 チャサンオボ(2019年製作の映画)
3.8
田舎の漁村に産まれながらも、生来のアタマの良さと読書好きな青年が、キリスト教迫害のために、島へ流された官吏(彼は青年の知識に助けられて、歴史に残る海洋生物の辞典を編纂することになります)と出会い、海洋生物の知識と学問をお互いに教え合います。彼はやがて身に付けた学問で身を立てようと、生き別れの父親の養子になり、科挙に通って官吏になりますが、汚職と腐敗が蔓延る役人の姿に憤り、結局漁師に戻ってしまうという、なんとも皮肉な結末でした。

日本ではこの辞典のことはほとんど知られていませんが、韓国ではかなり有名だそうです。

こういうマイナーなテーマを扱った時代劇まで劇場公開してくれるとは、韓国映画に関しては、配給が相当頑張ってますね。

辺境の孤島のゆったりとした時間の流れとか、200年前の空気感を表現したいからか、あえて2021年にモノクロで作成する監督のこだわりが面白いです。
終盤で一部がカラーに、そしてエンディングはフルカラーになる演出も、なかなか凝っていたと思います。
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