トレンティン

茲山魚譜 チャサンオボのトレンティンのレビュー・感想・評価

茲山魚譜 チャサンオボ(2019年製作の映画)
4.2
辛酉教獄(1801)などキリスト教弾圧事件があったことで知られる、19世紀初頭の李氏朝鮮時代に発表された海洋生物学書「茲山魚譜」。

民衆を統治しやすいように採用したのが朱子学。それは韓国も日本も同じ。そんな支配層のための朱子学はあまりにも手強い。逆らえば、家族まで危険に晒される。

しかし、本作はそんな朱子学を完全に否定する内容になっていないのが素晴らしい。
”性理学と西学は共に歩むべき友だ
友を知れば己がよく見えてくる”
で見られるように、いろんな学問を学ぶ重要性、引いてはどの学問であれ良いものは使うべきだというメッセージまである。

とにかく、何があろうと生き延び、そして、死ぬまで学び考え、得た知識の使って世に尽くす。好奇心をくすぐられる上、人生の指針まで与えてくれる良作だった。

「学びて思はざれば則ち罔し。思ひて学ばざれば則ち殆し。」とはまさに言い得て妙だ。
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