ずけし67

アスファルト・バーニングのずけし67のレビュー・感想・評価

アスファルト・バーニング(2020年製作の映画)
3.3
いきなり余談ですが、市販車で世界一速い車は何?

自動車ファンでなくともそんな疑問や興味を抱いたことのある人は少なからずいるのではないでしょうか。

一口に " 速い " と言っても、その定義や解釈が色々あるため、各々の定義毎に最速の車が存在しているのが実情なのですが、具体的に幾つか挙げてみると、

・最高速度(トップスピード)が一番
 速い車。
 現時点での最速は、
 SSCのトゥアタラで、時速532km
(↑ 新幹線なんかぶっちぎり、最早
 リニア並みです)

・静止状態からスタートして100m先
 のライン通過タイムが一番速い車。
 いわゆる0-100m(ゼロヒャク)
 現時点での最速は、
 ケーニグセグのジェメラで 1.9秒

・静止状態からスタートして400m先
 のライン通過タイムが一番速い車。
 いわゆる0-400m(ゼロヨン)
(↑ ワイルドスピードシリーズで良く
 出てくるドラッグレースがこれ)
 現時点での最速は、
 リマックのネヴェラで 8.58秒

・特定のサーキットを走り、その周回
 ラップタイムが一番速い車。

などなど。

それぞれに意義があるわけですが、僕の中では断然、いや誰がなんと言おうと一番最後に挙げた特定サーキットの周回ラップタイムで競って一番速い車を世界最速とすべし!と思っています。

そしてその特定のサーキットとして挙げられるコースはたった一つ、それはドイツのニュルブルクリンクサーキット北コース!
通称 " ニュル "
全長 20.6km、大小172もの多種多様なコーナーと長さ2kmにもおよぶ超ロングストレートを有しており、そのストレートでの車速は時速300kmを超え、コース一周の高低差は実に300mで、あべのハルカスを登って降りるほどの急激なアップダウンとなる、そんな世界屈指の超難関テクニカルコースであります。

車の基本性能である、走る、曲がる、止まる、に加え、急な路面の変化やアップダウンへの追従性や安定性など、ありとあらゆる性能とバランスを合わせ持った車でないと速くどころかまともに走れない、そんなコースだからニュルで最速ラップを刻んだ車こそが世界一速い車であり、世界最速の称号を得るべきだと思うわけです。

つまり、直線だけ速いとか、加速だけ速いとかで判断するのではなく、車に求められる総合的な性能で競って速さを決めるのがよろし、そういう考えです。

実際、ニュルは自動車ファンのみならず、世界の自動車メーカーにとっても聖地であり、世界最速の称号を得るために世界中の自動車メーカーがニュルに車を持ち込んでは日々タイムアタックを繰り返していると言っても過言ではありません。

ちなみに今現在ニュル最速タイムを保持しているのは、
ポルシェ 911GT2 RS タイム:6分43秒3 
つまりポルシェが世界一、これは誰もが認めるところで、ここ数年は入れ替わりはあるものの、結局最速の座にはポルシェが君臨し続けています。

参考までに我が日本勢では、2013年に日産 GT-Rニスモ(R35)が当時の最速タイム:7分8秒68 で世界一に輝いていますが、それ以降は最速の座から遠ざかっており、現在の順位は17位まで落ちてしまっています。

当時はポルシェと抜きつ抜かれつで世界最速の座を競い合った日産でしたが、儲からないスーパースポーツの採算面の問題や厳しい排ガス規制に伴うハイブリッド化論争などから、次期 GT-R(R36?)の開発をやるとかやらないとか、やってるけど極秘だとか、色んな憶測が飛び交って話題には事欠かないものの、結果的に次期 GT-Rの開発もニュルでの最速競争からも離れてしまっているのが現状です(涙

GT-Rについて更に補足すると、映画『ワイルド・スピード』シリーズのブライアン(ポール・ウォーカー)が好んで乗っている車が日産GT-Rで、ブライアン = GT-R と言っても過言ではないくらいブライアンの代名詞的な車としても有名です。
最新のワイスピ/ジェットブレイクでもラストにチラッと青いGT-Rが登場して、ブライアンの存在をほのめかしていましたね。



ということで余談(ヲタの戯言)が大変長くなってしまいましたが、一応本作についても簡単に触れておきます。(←本題のほうが付録かよ)

あらすじとしては、ノルウェーの車好きの男が(←ノルウェー映画です)結婚式の日に花嫁を奪われ、それを取り返すために、花嫁を奪い去った相手と車のレースで決着をつけるというお話。

で、その決戦の舞台が先に紹介したドイツのニュルブルクリンクサーキット、相手の車がこれまた先に紹介した世界最速を誇るポルシェ911、そして主役の男の車はなぜかフォード・マスタング、しかも67年式というね。

ノルウェー人なのになぜにアメ車?
しかも絶対勝てるわけねえじゃん?

でもまあ元々ポンコツコメディ作品だし中身なんてもうどうでもよかとです。

最後の最後にちょびっとだったけどニュルのコースが映ったし、ポルシェを始めカッコイイ車たちもちらほら見れたので、それだけで良しとするべ、、
って感じで、特に車好きじゃない人にとっては何の得にもならないすこぶるつまらん作品だろうなと。。そんな作品でありました。


【余談その2】
参考までにポルシェ911が世界記録を樹立したニュルでのタイムアタックのオンボード動画のYouTubeリンクを下記に貼っておくので、興味のある方は世界最速の走りを是非ご覧あれ〜。

https://youtu.be/hnHgouRtiF0
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