青二歳

大忠臣蔵の青二歳のネタバレレビュー・内容・結末

大忠臣蔵(1957年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

12月14日は吉良邸討入りの日!忠臣蔵映画史上..初カラー1957年製作。松竹らしく歌舞伎台本"仮名手本"をまんま下敷きにしている点で珍しい。
梨園出の俳優がわっさわっさ出てきます。キャストが襲名後になっちゃってますね…襲名のある役者はデータベース化やっかいなものですが…まぁその辺りは詳しい方のレビューにお任せするとして。
この時代の役者は美しい所作で魅了してくれますが、これは格別。時代劇だから忠臣蔵だからというのでなく、"仮名手本忠臣蔵"だからこその皆々様の張り切りぶり。

"忠臣蔵"は講談や落語などでも語られてきた歴史であり、虚構であり。そこを歌舞伎台本"仮名手本"に徹底して拘ったのはむしろ変わり種。
ドラマの軸にはお軽勘平が置かれているため、そのまま見取り公演観てるみたいです。演出も歌舞伎台本をベースにしちゃってて、シネスコを活用しようにもお舞台と花道をつなげたような角度からのショットを組み込んだり、なかなか強引。これはまた面白いから良いのですけど…やっぱり強引です。お軽と内蔵助のじゃらつきも、そこは高床式住居なのかーいだったり、エキストラの配置が舞台さながらにだまって座して置かれるだけだったり(これが本当に宜しくない)、アレ?と困惑することもしばしば。
なお、ロケ多用なのは新鮮です。セット裏に書割で済ます松竹らしくない(と思ったら富士山とか書割)。

浅野内匠頭の妻あぐり(瑤泉院)に有馬稲子。声がよいですねぇ。こんな凛々しい低音とは瑤泉院に合います。大石内蔵助の妻りくには水谷八重子…怖い。そして山田五十鈴と嵯峨三智子の親子競演はおしっこチビっちゃいますね…周りの人もハラハラしたでしょう…誰ですかこんなキャスティングしたの…

総じて、映画としての出来以前に、ある程度歌舞伎の仮名手本を知ってると見応えがあって楽しいが、知らないと置いてけぼりを喰らうこと確実という不親切な映画。エンタメとして観るなら他の忠臣蔵をオススメします。梨園ファンの方はどうぞ。