"歌は生き続ける"
偉大な歌手ビリー・ホリデイと、永遠に歌い続けられるであろう文字通り歴史的名曲『奇妙な果実』の物語。
"ありのままの現実"そのものを描いたために、社会的な影響力を持ちすぎてしまった1曲の歌が、彼女の人生を大きく変えてしまう。
"ジャズは悪魔の音楽"とされた時代。
曲の社会的影響力を恐れ、彼女に歌わせないために国(白人)が見張り、その上で彼女の弱点である麻薬依存でいかに貶めるかという国家ぐるみの恐ろしい策略。
油断させるために黒人の捜査官を遣うという狡猾なやり方と、同胞を貶める皮肉な構図。
同胞すら信じられない世界で彼女は孤独に戦い続ける。
興味深く鑑賞したものの、史実だからしょうがないのかもしれないが、話が一本調子でメリハリが無いため、少し退屈してしまった。
『奇妙な果実』という曲が生まれた背景を知りたかった。
劇中の音楽にSalaam Remiが携わっていたり、エンドロール曲がRaphael Saadiqプロデュースな辺りはとてもよく分かっている作り手。