Mountain

ラン・ハイド・ファイトのMountainのレビュー・感想・評価

ラン・ハイド・ファイト(2020年製作の映画)
3.5
皆を救えるのは私だけ!!
女子高生×ダイ・ハード

とある田舎町の高校で銃乱射事件が発生。
無差別に殺されていく生徒達。
そこに居合わせた生徒のゾーイは父親仕込みのサバイバル能力を駆使し、果敢にも犯人達に立ち向かっていくのだった…。

ポスター、パッケージデザインからはクソB級映画臭がプンプン。
あまり予算かけてなさそうだし、期待せずに観てみたのですが…
意外や意外!なかなか楽しめました。

アメリカで度々起こる凄惨な銃乱射事件。
アクション映画の題材として取り上げるには不適切というか…重過ぎるんじゃないか?という気はしなくもないです。

生徒達が次々撃たれていく姿は、なかなかにキツいものがあります。
グロ耐性があるなしではなく、精神的にエグられる感じ。
誰しもが記憶にある学校というシチュエーションが、生々しさを引き立てるのでしょうか?

もし、あの事件の時にヒーローが居てくれたら…という願望をカタチにしたような、そんな映画でした。


いわゆる、ナメてた相手が実は殺人マシーンでした的作品。更に全編に散りばめられた「ダイ・ハード」オマージュの数々。

複数の敵vs.1人の構図。
ダクト、天井裏を這いずる主人公。
犯人達を1人、また1人と仕留めていく主人公。
電話越しに犯人を挑発していく強気スタイルな主人公。
最終的にタンクトップ姿で駆け回る主人公…まさにジョン・マクレーンそのものじゃんかw


そして、単純に「ダイ・ハード」チックな映画では終わらせず、妙にスピリチュアルな要素もぶっ込んでくるのよ、この映画w

亡くなった母の幻想が主人公の前に現れては、助言を残し去っていくのよね…。
母との別れを受け入れきれていない主人公の心の葛藤が描かれており、なかなか見どころのある作品だと感じました。

主役を務めたイザベル・メイさんって…
顔立ちが佐藤ミケーラ倭子さんっぽいのよね〜。伝わるかわからんけどw
あと、「ハンガーゲーム」のジェニファー・ローレンスさんっぽさも感じました。

脇を固める俳優さん達は、なんだか絶妙に通好みなキャスティングw
「パニッシャー」のトーマス・ジェーンさんが主人公の父親役を好演。少ない出番ながらも、孤軍奮闘する娘を陰からサポート!!

主人公の前に度々現れ、助言を残す死んだ母親役にはラダ・ミッチェルさん。

そして、貫禄ある保安官のおっちゃんはトリート・ウィリアムズさんでした。
「ザ・グリード」の頃とは体型が変わり過ぎてて驚きましたw



いかにもなステレオタイプの犯人像、爆破シーンのショボさ等々、ツッコミどころもあるっちゃあるんです。
それほどアクション重視な作品ではないので過度な期待は厳禁。派手なアクションを期待するとガッカリするかも。
それでも、1人果敢に戦うゾーイの力強さ、カッコ良さにココロ打たれます。

ノーマークだった分、個人的には意外に楽しめて良かったかな。
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