Kaz66

アメリカン・ユートピアのKaz66のレビュー・感想・評価

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)
4.6
スゴイものを観てしまった。
コレは僕が見たライブ・フィルムの中で、いや、リアル・ライブを含めても間違いなくTOPクラスに入る体験でした。
元トーキング・ヘッズのフロントマン、(僕は熱心なヘッズファンではなかったが…)デヴィッド・バーンは“鬼才”というイメージだったけど、この映画(ブロードウェイのショー)では全然違う彼が居ました。
すごく人間味のあるショー。いま世界で起きてる事に対峙し、自分の考えを示し(政治的立場もハッキリとさせ)、観客にエンタメとしての感動を与えながらも社会的な問題提起をまぶしていく。
極力不必要なものを廃した演出(舞台セット)、バーンとマーチング・バンド形式の演奏者はワイヤレスでコードもアンプもスピーカーもなし。
声と演奏とダンス(動き)、それと観客だけにフォーカスしたミニマルな構成でありながら、SE〜曲順・MC・ダンスの細部まで徹底的に練り込まれてて(その辺はバーンらしい)、至福の演奏と同時に考えるキッカケを与えてくれる。
69才のデヴィッド・バーンに全く衰えはみえず、彼が世界中から集めたバンドも素晴らしいパフォーマンスを魅せる。
スパイク・リーが撮るのも納得だし…、“今” コロナ禍/分断の🇺🇸 で観ておくべきパフォーマンスだと思ったし、コレを映画(パッケージ)として世界中で体験出来るという事にすごく意義のある、“熱狂の人生賛歌”でした!
公開期間短いと思いますが、ぜひ劇場の大画面で/高音質で、体験(共感)して欲しいと思います。きっと“刺さる”ものが違ってくると思うから…。
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