たーぼーん

アメリカン・ユートピアのたーぼーんのレビュー・感想・評価

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)
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プリンスの「サイン・オブ・ザ・タイムス」を観た時にも感じたけど、この作品でも奇跡の様なパフォーマンスを拝見する事が叶った。
コードレスの楽器を首からかけ、皆で絶えずシフトチェンジしながら演奏する。複雑な上に身体的にハードで1つ狂いが生じると見え方が随分違ってくるはずなのを、凄いレベルで成立させてくる様子に興奮しない訳にはいかない。
綿密に組み立てられただけでなく、ディヴィッド・バーンのはりきりぶりがハツラツとしていて、こちらはそれに好感し共感するし、共演者達も引っ張られる。
あくまで映画にするのはスパイク・リーな訳で、ディヴィッド・バーンとスパイク・リーという同時期に近くで仕事をしてるはずで既に分かり合えていそうだが、ひょっとしたら対極にいたのかも知れない2人のいい歳になってからの邂逅も清々しい。
アメリカというひたすらどうしようもない様にも思える国が、ただ前進する力強さがハンパないだけでなく、過去を振り返り節目節目でそれなりに反省してくるところをまた見せ付けられてしまった。